天丼とネクタイ
地域おこし協力隊として静岡から美浜町に移り住み、はや3か月。
静岡時代から食べ歩くのが好きだった私は、「お気に入りのお店を見つけるために使うお金は浪費ではなく投資だ‼」という自分に甘い信念の元、今日のお昼をどうしようか考えておりました。ネクタイの収集が好きな私は気分によって毎日ネクタイを変えており、その日はてんぷらな気分のとき用のネクタイを付けていました。
朝からの自分の決意は簡単には裏切ることはできません。早速美浜町で天ぷらを食べられそうなお店を探して車でうろうろしていたら目の前に見えてきた「おとり」さん。
あの太巻きで有名なお店だということは知っていたのですがお寿司屋さんということで残念ながら今回は…と思ったその時。何故か天ぷらがあるかもしれないと直感的に思った私。
これは今日のネクタイを信じるしかないと思い意を決しておとりさんに突入!!お品書きを見るとなんと「天丼」という2文字が…!!なんという強運。ありがとうネクタイ…。迷わず天丼を注文。そして出てきた天丼は。
もう永遠にこのネクタイは離さないと固く決意しました。
なんて素敵でボリュームのある美しい天丼でしょうか…。しかもハマグリのお吸い物も付いてくるし。もうその後の記憶はありません。池波正太郎さんの「てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ」という言葉に忠実に従いました。天丼だけど。覚えているのはただひとつ。天丼のつゆが良い塩梅でご飯にからみつき、そのご飯を食欲のすすむ香りとともに口の中に入れ、最後に噛むとジューシーに旨味の汁が出てくる天ぷらを入れた時に生まれるとてつもなく甘美であり充実した旨みだけです。
この余韻を手放したくなくてこの後5時間くらい食べ物も飲み物も口に入れませんでした。
本当に満足した日でした。ありがとうございました!!